12 June

色々野菜の管理と収穫を楽しむ6月

~6月は実りの季節、色々な野菜の収穫を楽しみましょう~

収穫時期のトウモロコシ

収穫時期のトウモロコシ

雨の多い季節になりましたね。ジトジト、ジメジメする梅雨の季節は苦手だという方は多いかもしれません。
しかし、野菜を育てている方にとって、6月は色々な野菜の収穫が一気に始まる楽しい季節でもあります。3月に種を播いたトウモロコシは収穫時期を迎え、5月に少しずつ収穫を始めていたジャガイモ、玉ねぎは最終的な収穫段階に入ります。そしていよいよ、夏野菜の花形選手である、きゅうり、トマト、ナス、枝豆、ピーマン、ズッキーニ、いんげん等の本格的な収穫が始まります。これら夏野菜は、色や形が華やかで、見ているだけで元気が出そうです。

ズッキーニ受粉作業

ズッキーニ受粉作業

さて、その夏野菜ですが、農業実践教室では「トマトは手で受粉をしたほうが良いのか」「ズッキーニは手で受粉しなくて良いのか」等という受粉に関する質問をほぼ毎年いただきます。
受粉は、収穫前に雄花の花粉を雌花の柱頭につけることですが、野菜によって人の手で行う受粉の必要性は異なります。
受粉作業を敢えてやった方が良いのは、ズッキーニ、南瓜です。農業実践教室の畑のように、蝶や蜂が多い場所であれば、受粉は自然任せでもほぼ大丈夫です。しかし、蜂や蝶等が少ない住宅街の中では、人間が受粉作業をした方が良品をたくさん収穫できます。

トマト

トマト

枝豆

枝豆

トマトでは、受粉に「ホルモン剤」を使う人もいますが、手で花を揺らしてあげるだけでも受粉できます。農業実践教室では、小型のビニールハウスでトマトを栽培していますが、ホルモン剤は一度も使用せず、ほぼ風だけできちんと受粉ができています。また、枝豆等の豆類、ナスやキュウリは、特に受粉作業をしなくても大丈夫です。

~6月は野菜もカビに注意、樹に負担をかけないよう適期に収穫を~

実りの季節である6月はまた、野菜の成長が著しい時期でもあります。梅雨の雨は、畑の中の肥料を溶かし、その肥料を吸収した野菜は、適度な暖かさの中で成長に拍車がかかるのです。
梅雨の優しい雨は野菜にとってありがたい一面もあるのですが、良いことばかりではありません。雨や曇天続きで多湿な時期は、人間の生活の中でもカビが発生しやすいように、育っている野菜たちにもカビが発生しやすいのです。
たとえば、キュウリ、トマト、ナス等には、カビが原因の病気がいくつかあります。「葉カビ病」「灰色カビ病」「べと病」等といった名前で知られています。これらにかかった場合、ひどい時には葉が枯れあがり、収穫量が極端に落ちてしまうこともあります。
こうした病気を防ぐためにできる簡単な作業の一つが、枝を選別して切り落とす「整枝」、作業や葉をかきおとす「摘葉」という作業です。たとえば、ズッキーニであれば、実の収穫を終えた位置から下の葉については、3枚だけ残してあとは摘葉してしまいます。トマトやきゅうり等他の夏野菜も、収穫した実がついていた位置より下の古い葉は落としましょう。
ところで、トマトやナス、キュウリ、ズッキーニ等の夏野菜を作っている皆さんは、梅雨に入る頃から本格的な収穫時期を迎えるという方も多いかと思います。
こうした夏野菜は、収穫適期(一番良い収穫のタイミング)を迎えたらどんどん収穫しましょう。ずっと収穫せずに置いておくと、せっかくできた実の味が落ちていくだけでなく、樹に負担がかかり、やはり樹の傷みや病気の発生原因となります。ただ、逆に言えば、夏野菜は、こまめに収穫するほどその後の株の健康も維持されやすく、また、収穫する野菜も美味しい状態で収穫できるのです。晴れの日も、ちょっと天気の悪い日も、毎日お庭の畑に出て、収穫にも精を出しましょう。

下葉をどんどん落としながら収穫

下葉をどんどん落としながら収穫

採れたてのきゅうり

採れたてのきゅうり

日に日に成長する6月のナス

日に日に成長する6月のナス

~6月はズッキーニがお勧め。食感とほのかな甘味を活かしたお料理を~

艶のあるズッキーニ

艶のあるズッキーニ

6月は色々な野菜を収穫できます。旬を迎える野菜はたくさんあるのですが、この6月に美味しい野菜として、今回敢えてあげるのはズッキーニです。
ズッキーニは、カボチャの一種で、日本にはイタリア料理の広がりとともに普及してきた比較的新しい野菜です。暑さに弱いので、山間部地域等涼しい場所でなければ、ズッキーニの収穫は概ね6月いっぱいまでです(秋にビニールハウス等で栽培することは出来ます)。
ズッキーニの収穫適期の判断は、「大きさ」が一つの目安です。一般的な細長い形の品種であれば、18~25㎝程度で収穫するのが理想です。このくらいの大きさのズッキーニは、実も皮も柔らかく、どんな料理にも合います。ただ、多少大きくなっても実に「艶」があれば、十分柔らかくて美味しいですし、理想的なサイズで収穫しても日数が経ってしまうと、実がスカスカして美味しさは半減です。

さて、そんなズッキーニは、味そのものは淡白ですが、優しい甘味があります。この甘味ととろけるような食感がズッキーニの良さです。ですから、ズッキーニ料理は、あっさりした味付けでさっと火を通したものがお勧めです。
美味しくて一番簡単なズッキーニ料理は、シンプルなソテーです。
単にオイルで焼いただけでは、あっさりし過ぎてしまうので、ニンニク等でアクセントをつけたり、仕上げにさっと醤油をかけて、粗挽きコショウ等で味を調えると良いでしょう。

ズッキーニとエビのパスタ

ズッキーニとエビのパスタ

また、ズッキーニは、肉との相性も良いのですが、ズッキーニの淡白な味をより楽しむのであれば、魚介類との組み合わせがお勧めです。
たとえば、ズッキーニを薄くスライスしてエビと合わせたパスタは、口当たりが軽くて、いくらでも食べられそうな美味しさです。塩ベースの味付けで、少しニンニクを入れるとより一層美味しさが引き立ちます。ニンニクが手元になければ、ハーブソルトで味を調えても良いでしょうし、エビだけでなくアサリ等を加えても美味しいでしょう。

ズッキーニとトマトのオープンサンド

ズッキーニとトマトのオープンサンド

ズッキーニのソテーの上にツナを乗せたオープンサンドも、簡単ですが美味しいです。軽く塩コショウで味付けしたズッキーニのソテーをフランスパンの上に乗せ、最後にツナをトッピングします。一口かじるごとにズッキーニのみずみずしい甘さとツナの旨味が口いっぱいに広がります。オープンサンドは、もちろんズッキーニだけでなく、トマトやナス等の夏野菜いずれでもよく合いますので、お庭の畑で採れる野菜を色々乗せて楽しんでみてください。

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