13 July

菜園生活が1年の中で最も充実する7月

~実りの7月、採れたての極上野菜を楽しみましょう~

枝豆

枝豆

いよいよ夏ですね。
夏に収穫する夏野菜は、「ナリモノ野菜」と言って、縦方向に伸びながら次々と実をつけるタイプの野菜が多いです。トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、万願寺唐辛子、オクラ等は、ナリモノ野菜の代表です。ナリモノ野菜は、小さな面積でもたくさんの収穫を楽しめますので、家庭菜園でも育て甲斐のある野菜たちです。

7月は、このナリモノ野菜を中心に収穫できる野菜が一気に増えます。
既に6月から収穫が始まっているトマトやキュウリ、ナス、つる性のインゲン等は、7月に入ると実り方に一層勢いがつきます。これを追うようにして、カボチャ、枝豆やスイカ、オクラ、モロヘイヤ等が7月から収穫時期を迎える場合が多く、一気に野菜が出揃う感じです。色々な野菜を育てている方は、野菜を買う必要がないくらいバラエティ豊かな自家栽培の野菜で食卓が充実していることでしょう。

いんげんのトンネル

いんげんのトンネル

キュウリ

キュウリ

トマト

トマト

夏野菜は、美味しさに鮮度が関係することが多いです。収穫してすぐに食べられる自家製野菜が、ひいき目なしに美味しいわけです。
農業実践教室では、春夏野菜コースの「収穫祭」を7月に開催しています。ちょうどコース終了時期でもあるため、最後の日に豊作を感謝しながら、受講生全員で収穫した野菜を料理して楽しみます。フィナーレに相応しく野菜の種類も豊富で、美味しく楽しいイベントになります。

農業実践教室の収穫祭

農業実践教室の収穫祭

7月の収穫祭で使う野菜たち

7月の収穫祭で使う野菜たち

トマトごはん

トマトごはん

カボチャのバルサミコソースがけ

カボチャのバルサミコソースがけ

アクアパッツァ

アクアパッツァ

トマトときゅうりと豚肉のサラダ

トマトときゅうりと豚肉のサラダ

~長く収穫できる野菜たちには追加で肥料をあげましょう~

夏野菜は、次々に実をつけながら成長を続けて長く収穫を楽しめる分、肥料もたくさん必要になります。最初に土に入れておいた肥料だけでは途中で不足しますので、追加で肥料を加えてやります。追加で肥料を加えることを「追肥」と言います。
ナスやピーマン等は、追肥で与える肥料の量と生育モードに面白い関係があります。
たとえば、吸収した肥料成分が植物体内に潤沢にある時には、肥料成分の使い道は茎葉の生育中心になりますが(栄養成長と言います)、体内の肥料成分が薄くなってくると、花や実をつける方向(生殖成長と言います)に生育モードが切り替わります。ですから、花が咲いたら追肥をすると、生育のリズムをちょうど良いペースに整えてあげることができます。
こうした生育のリズムを感じながら追肥をできれば楽しいものですが、リズムがよく分からない場合は、2週間に1度程度を目安に追肥をすると良いでしょう。
なお、肥料が不足してくると、ナスやピーマンは特徴的な肥料切れのサインを出してきます。

めしべの先端が周りのおしべより長い状態

めしべの先端が周りのおしべより長い状態

たとえば、ナスは、肥料が十分足りている時には、花の中心部にあるめしべの柱頭は、その周りにあるおしべの先端よりも長く伸びています。しかし、肥料が切れたり水が不足すると、めしべの先端は、おしべよりも短くなります。また、強風が吹いたわけでもないのに花が次々と落ちたり、実が変形する場合も肥料切れの兆候です。ピーマンは、肥料が切れてくると、花が小さくなり、また、新しく出る芽の伸びが悪くなります。
ところで、追肥の肥料はすぐに効かせたいので、即効性が大事です。肥料は、水に溶けていないと効きませんので、追肥には液体の肥料を使うか、固形の肥料を使う場合は、追肥後にたっぷり水をやりましょう。

~7月はトマトを楽しみましょう!~

トマトのカプレーゼ

トマトのカプレーゼ

家庭菜園で一番人気の夏野菜は、なんと言ってもトマトでしょう。
中でも、ミニトマトは、育てやすさや使いやすさで、トマトの中で最も人気があります。
ミニトマトは、そのまま食べても甘くて美味しいものですが、「カプレーゼ」にするとホームパーティーでも見栄えのする一品になります。
カプレーゼの作り方は、とても簡単です。
ミニトマトを包丁で切り、モッツァレラチーズとバジルを乗せ、崩れないように楊枝で挿します。そして、塩を軽く振り、オリーブオイルをかけて出来上がりです。

トマトをたくさん収穫できる方は、トマトソースを自家製で作ってみることをお勧めします。
トマトソースのレシピには色々なものがありますが、トマトが美味しければ、シンプルな材料で美味しいソースができます。トマトソースに合うトマトは、調理用トマトや中玉トマトです。これらは、甘味だけでなく酸味、旨味もしっかりとあるので、ソースとして美味しいものができます。中でも、調理用トマトは、加熱後の旨味成分の増加が著しく、一番のお勧めです。
私がいつも作るトマトソースの材料は、ニンニク、塩、トマト、オリーブオイル、唐辛子だけです。一般的なレシピに比べると材料が少ないのですが、とても美味しいです。

トマトソースのパスタ

トマトソースのパスタ

作り方は簡単です。
まず、カットしたニンニクと唐辛子をフライパンに並べ、その上からオリーブオイルをたっぷり回し入れ、コンロの火をつけます。焦がさないように弱火のまま、ニンニクと唐辛子を丁寧に炒めていき、オイルに香りを移します。
しっかりと香りが出てきた頃にトマトを入れます。トマトの皮が気になる方は、湯剥きした状態のトマトを入れ、ヘラで実を潰しながら煮詰めていきます。最後に、塩を入れて味を調えます。このレシピで味が物足りない場合は、人参、セロリ、玉ねぎ等旨味や甘味を足せる素材を加えていくと良いでしょう。
ソースを煮詰めているのと併行して、鍋でパスタを茹でます。パスタを茹であげたら、ソースをかけてトマトソースのパスタの出来上がりです。

大玉トマト「こいあじ」

大玉トマト「こいあじ」

トマトソースは、特徴のあるトマトで作るのもまた面白いものです。
農業実践教室では、今年は、甘味も酸味も非常に強い「こいあじ」という大玉トマトを作りました。大玉トマトは、一般的には水分が多くあっさりとした味なので、ソースには不向きですが、「こいあじ」でソースを作ると、その特徴である強い酸味と濃厚な甘味が生食の時と同様にハッキリと分かる面白いトマトソースになりました。また「こいあじ」は、完熟してもゼリー部分が青いままなので(青いゼリー部分に強い酸味が残っています)、出来上がったソースの色は、真っ赤ではなく少し薄い色になりました。
また、トマトをたくさん収穫したけれど、加工している時間がない場合は、トマトを丸ごとジップロック等に入れて冷凍保存することもできます。使う時に1粒1粒バラバラで使えるのでとても便利です。
冷凍したトマトを自然解凍する際には水分が出てきますが、その水分はトマトの栄養と旨味が凝縮されたものなので、捨てないでそのままお料理に使いましょう。