12 August

暑い夏こそ野菜を!栄養価の高い真夏の野菜を楽しむ8月

~真夏に旬を迎える野菜は栄養たっぷり~

オクラ

オクラ

今年も猛暑ですね。皆さん、夏バテはしていませんか?
8月は暑い盛りで、日中外に出るのをためらう人も多いことでしょう。
しかし、8月に収穫できる野菜は、ナス、ピーマン、ししとう、オクラ、モロヘイヤ、ゴーヤ、紫蘇等、次々に収穫をしていく野菜ばかりです。収穫せずに放置しておくと、どの野菜も硬くなって味が落ちるだけでなく、樹に負担をかけて作物の寿命を縮めてしまいます。8月は暑くて屋外作業は億劫になりがちですが、涼しい朝や夕方を利用してこまめな収穫を心がけましょう。
ところで、暑い真夏に収穫できる野菜は、栄養価の高い魅力的なものが多いです。
たとえば、オクラは、カロテン、カルシウム、食物繊維等が豊富です。あの独特の粘りは、ムチンという成分によるもので、血液中のコレステロールや血糖値を下げる働きがある他、胃の粘膜保護や整腸作用も期待できます。

夏野菜の代表とも言えるゴーヤは、ビタミンCを豊富に含みます。ビタミンCの抗酸化作用により、動脈硬化やガンを抑制する働きを期待できる他、あの独特の苦みの原因であるモモルディシンとチャランチンいう成分には、血糖値やコレステロールを低下させる働きがあります。

モロヘイヤ

モロヘイヤ

また、最近人気が出ている夏野菜と言えば、モロヘイヤでしょう。モロヘイヤは、インドやエジプトを中心とした中近東で古代から広く栽培されてきた野菜で、日本で食べられるようになったのは、つい最近のことですが、青菜類が少ない夏にお浸しや味噌汁等で重宝しますよね。
モロヘイヤは、クレオパトラが好んで食べたことが有名ですが、古代エジプト時代、どんな薬を飲んでも治らなかった王様の難病が、モロヘイヤのスープを飲んだら治ったという伝説があるため「野菜の王様」と言われています。強い抗酸化作用のあるクェルセチンを豊富に含む他、カルシウムやカロテン、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、食物繊維等も豊富です。また、オクラと同様、粘りの成分はムチンで、やはりコレステロールや血糖値を下げる働き、胃の粘膜保護等を期待できます。

日本のハーブと言われる紫蘇(赤紫蘇・青紫蘇)も7~8月は生育が旺盛です。赤紫蘇にも青紫蘇にも含まれているペリルアルデヒドという香り成分には、殺菌・防腐効果があります。お刺身のツマに青紫蘇を添えたり、梅干しに赤紫蘇を使うのは、この殺菌・防腐効果があるためです。なお、赤紫蘇と青紫蘇を比較すると、薬効成分が多いのが赤紫蘇、栄養価が高いのが青紫蘇と言われています。

青紫蘇

青紫蘇

赤紫蘇

赤紫蘇

こうした栄養価の高いオクラ、モロヘイヤ、ゴーヤ、紫蘇は、農薬を使わなくても比較的育てやすい野菜ですので、家庭菜園にお勧めです。特に赤紫蘇は、肥料が少なくてもよく育ち、農薬を使わなくても虫被害はなく、自家栽培であれば長い期間収穫を楽しめますが、お店で買おうとすると、梅干しを仕込む時期以外には滅多に入手できません。後述する紫蘇ジュースを作る場合は、赤紫蘇を庭に数株植えておくと重宝します。

~8月は、秋冬野菜のための土づくりをしましょう~

太陽熱養生処理中の畝

太陽熱養生処理中の畝

夏野菜の収穫真っ盛りの8月は、秋冬野菜の準備を始める時期です。収穫を終えた夏野菜をどんどん撤去して、秋冬野菜のための土作りを始めましょう。
秋冬野菜は、種を播く時期、苗を植える時期がとても重要です。種播きや苗の植え付け時期が遅れてしまうと、十分に肥大しなかったり、結球する野菜は結球できなくなります。肥大にも結球にも、それぞれ適度な温度が必要だからです。
大まかな目安ですが、関東地方であれば、人参の種まきは8月上旬までに、大根の種まきは9月中旬までに行います。また、キャベツ、レタス、白菜等の苗は9月中旬頃までに植え付けておくと、きちんと結球した状態で収穫できます。
畑の土づくりは、種まきや苗の植え付け時期から遡って2週間~1か月ほど前に済ませておくのが理想的です。9月に種を播く大根、苗を植えるキャベツや白菜の土づくりは、8月中に済ませましょう。
なお、これまで家庭菜園を楽しんできたけれど、秋冬野菜はいつも蝶や蛾の幼虫に葉を食われて困っているという方は、この暑さを利用した「土の熱消毒」をお勧めします。
土の熱消毒は、考え方や目的に応じてやり方や名称に細かい違いがありますが、基本は、畑に肥料や堆肥を入れ、水で湿らせた状態(雨がたっぷり降った後等)の畝を透明のビニール等(透明マルチ等)で覆い、ビニール下で土を発酵させることで土の温度を上げ、熱により地中の雑草の種や地中に潜む幼虫や虫の卵、熱に弱い病原菌を殺すというものです。
農業実践教室では、これらの目的に加え、土の構造を改善することを目的として、夏期に同様の熱処理を行っています(私たちは、それを太陽熱養生処理と呼んでいます)。こうした処理を出来るようになると、たとえば、大根やキャベツのネキリムシ被害(地際の茎をバッサリ切られてしまう被害)等を大きく減らすことができますし、やり方によっては、土の構造が改善され、作物の生育がとても良くなります。

~暑い夏は、疲労回復効果が高い手作り赤紫蘇ジュースがお勧め!~

暑い日が続く8月、後半になって夏の疲れが大分溜まってきているという方も多いのではないでしょうか。そんな時のお勧めなのが、手作りの赤紫蘇ジュースです。
赤紫蘇は、先に紹介した殺菌・防腐効果に加えて、抗酸化作用、アレルギー予防、美肌、整腸、デトックス、疲労回復、食欲増進等様々な作用があります。

たっぷりの湯で紫蘇を茹でる

たっぷりの湯で紫蘇を茹でる

赤紫蘇ジュースの作り方は簡単です。
材料に赤紫蘇100g、塩大さじ2分の1、甜菜糖200g、水500CC、純米酢100CCを用意します。これで、約500CCの赤紫蘇ジュース原液ができます。
赤紫蘇の葉を茎から取り外し、葉を洗います。次に塩でよく揉んでアクを出します。アクを出したら、もんだ葉を水洗いします。
沸騰したお湯にアク抜きした葉を入れて約10分煮出します。煮出している途中で、葉の色素が湯に溶け出して湯の色が赤紫色に変わり、一方、葉の色が緑色に変わってきたら煮出しは終了です。

紫蘇ジュース

紫蘇ジュース

ザルで煮出した汁を濾して葉を取り除きます。甜菜糖を加え、さらに酢を入れてひと煮立ちさせたら火を止めて冷まします。これで、赤紫蘇ジュース原液の出来上がりです。
赤紫蘇ジュースは、無糖の炭酸水で割ると、のどごしが爽やかで、口の中がさっぱりして美味しいです。炭酸水そのものにも疲労回復効果があり、酢もまた乳酸を抑制することで疲労回復を促す効果があるので、炭酸割りの赤紫蘇ジュースは、疲れが溜まった夏にピッタリの飲み物と言えます。真夏の暑い日に屋外作業をした後、手作りの赤紫蘇ジュースを楽しんでみてはいかがでしょうか。