16 October

実りの秋!食卓に野菜が溢れる豊かな10月

~秋野菜の収穫が本格的に始まる10月~

10月に入り、朝晩は寒いくらいになりましたね。昼間、畑で作業をしている最中に背中に降り注ぐ太陽光は、ほっこりと心地良いものとなり、通り過ぎる風は日に日に冷たくなり、空気も乾燥する日が増え、冬が間もなくやってくることを感じる10月です。

農業実践教室の畑のある千葉市は、落花生の産地です。このあたりでは、10月に入ると「ボッチ」と言って、収穫した落花生を野積みした景色が広がります。ボッチは、落花生を出荷する前の一手間で、約1か月間この状態を保って実を十分乾燥させてから、莢を外して加工業者へ出荷します。出荷された落花生は、炒り落花生等に加工されます。

ボッチが広がる光景

ボッチが広がる光景

ボッチ

ボッチ

ボッチの景色は毎年同じなのですが、落花生の出来は毎年異なります。今年は、8月のお盆を過ぎた頃から涼しい日が続き、ちょうど落花生の実が膨らむ時期の気温が全般的に低かったため、実が入らず、また実が入っても大きくならないものが多く、残念ながら千葉県全域で落花生は不作でした。お天気ばかりはどうしようもないので、来年の豊作を祈るばかりです。

ところで、皆さんが落花生を食べる場合、たいていピーナッツのように炒ったもの食べるのが一般的かと思いますが、産地である千葉では、採れたての落花生を塩茹でして食べます。塩茹での落花生は、炒り落花生とはまるで別物です。とても美味しく、ぜひ一度は食べてみていただきたい味です。
落花生は家庭菜園で簡単に出来ます。産地以外では、採れたての生落花生を入手するのはなかなか難しいので、食べたことがない方は、来年育ててみてはいかがでしょうか。
さて、この初秋は天候不順でしたが、農業実践教室では、おかげさまで無事、10月に入ってから収穫ラッシュが始まりました。
10月に収穫できる野菜は、落花生、小松菜や水菜等の葉物野菜、レタス、キャベツ、白菜、大根、ブロッコリー、サトイモ、サツマイモ、唐辛子、少し早めの人参等です。たくさんの野菜があって、まさに「実りの秋」です。
家庭菜園を楽しんでいる皆さんも、秋野菜の収穫が始まった、あるいはそろそろ始まる方が多いのではないでしょうか。今年の出来栄えはいかがですか?

茹で落花生

茹で落花生

ブロッコリー

ブロッコリー

鷹の爪(唐辛子)

鷹の爪(唐辛子)

~春収穫の玉ねぎ、ニンニク、エンドウを仕込む時期~

10月から11月中旬までは、色々な野菜の収穫時期が始まる一方、春に収穫する玉ねぎ、ニンニク、エンドウ等の植え付けシーズンです。地域の植え付け時期を参考に種まきや植え付けをしましょう。
玉ねぎは、苗を植えるのが一般的ですが、苗を植える際にはその大きさに注意しましょう。玉ねぎは、大きすぎる苗を植えてしまうと収穫前にとう立ち(抽苔)する可能性があります。というのも、玉ねぎは、一定の大きさ(太さ)になった苗が一定期間低温下にさらされると花芽分化(とう立ち)する性質があるためです。玉ねぎにねぎ坊主が出来てしまったら、それがとう立ちです。とう立ちすると、それ以上玉ねぎの玉は大きくならず、また、それまでの間に育った玉の中心部は、固くて美味しくありません。
玉ねぎを植える際の理想的な苗の太さは5~8mm程度です。1.5㎝以上では栽培期間中にとう立ちする可能性があり、3mm以下では真冬に寒さで枯れてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
ニンニクは、鱗片を種にして植えつけます。種用のニンニクは、ホームセンターで売っています。しなびていたり、染みがないものを選びましょう。
エンドウ(スナップエンドウやキヌサヤ等)は、この時期に種まきをします。エンドウは、苗の背丈が10㎝以下ですと寒い冬は寒さで枯れてしまうことがありますので、種まき時期は遅くなり過ぎないようにしましょう。なお、苗を植えるより、種を直接地面に播いて育てた方が根がしっかりと張り、寒さにも強いです。

エンドウの芽

エンドウの芽

玉ねぎ苗の定植

玉ねぎ苗の定植

ニンニクの芽

ニンニクの芽

~レタスとキャベツは秋収穫が絶品!甘さを味わう10月~

秋は、レタスやキャベツがとても美味くなる季節です。レタスとキャベツは、春にも収穫できますが、秋は、徐々に寒くなっていく中で葉数を増やしていくため、新葉の甘味が強くなり、春よりもずっと甘くて美味しいのです。
レタスは、見た目も綺麗で、品種によっては花のように見えます。キャベツや小松菜と違って虫害被害にも遭いにくく、色や形のバリエーションが豊富なので、お庭で育てても見栄えが良い野菜です。
そんなレタスは、品種によって歯ごたえや味も違うので、秋には色々なレタスを使って「レタスだけのサラダ」を作ってみましょう。
このサラダのドレッシングは、もちろん手作りがお勧めです。
ドレッシング作りは簡単です。べースとなる材料は、酢、油、塩、コショウです。これらに醤油やレモン汁等好みの調味料を加え、ドレッシングの味を決めます。油は、オリーブオイルやごま油等作りたい味に合わせて使い分けます。
作り方はシンプルです。油以外の調味料を最初に混ぜ、最期にそれらと油を合わせるだけです。ドレッシングのベースとなる油と酢の比率は、さっぱりしたドレッシングが好みの方は油1:酢1、しっかりと野菜にドレッシングを絡めたい方は油2:酢1の比率が目安です。
爽やかな風味のドレッシングであれば、オリーブオイルとレモン汁、塩、ホワイトペッパーで作るドレッシングがお勧めです。この場合、レモン汁に強い酸味があるので、酢は入れません。
甘めの和風ドレッシングであれば、ごま油と純米酢、しょうゆ、ホワイトペッパーの組み合わせが簡単でお勧めです。純米酢は、穀物酢よりも甘味を感じられる酢です。純米酢でなくても、かき酢やりんご酢等果実の酢も和風ドレッシングによく合います。
サラダは、水切り器でしっかり水気を切ったレタスを大きめのボールに入れ、塩とコショウを軽く振りかけてざっと和えたところに、別の容器で作ったドレッシングをかけてざっくりと和えるだけで出来上がりです。

レタス

レタス

レタス

レタス

レタスだけのサラダ

レタスだけのサラダ

キャベツは、レタスより栽培は少し難しいかもしれませんが、家庭菜園でトライしてみたい野菜ですよね。キャベツを収穫できたら、鮮度の良さを活かして、生で美味しくいただきましょう。
キャベツを使った料理は色々ありますが、今回は今年春にインターネットで話題になった「キャベツたっぷりのサンドウィッチ」をご紹介しましょう。
サンドウィッチというと、マヨネーズをパンに塗り、具として卵やツナやレタスを挟むのが一般的ですが、今回ご紹介するサンドウィッチは、千切りキャベツがメインの具材です。
サンドウィッチは、パンをトーストして粒マスタードを塗り、山盛りの千切りキャベツ、ベーコン、チーズを挟んで出来上がりです。千切りキャベツは、スライスした玉ねぎを少し混ぜ、マヨネーズとブラックペッパーで和えておきます。もちろん、ここにトマトや卵やツナ等を加えても、美味しいです。
今年は、秋キャベツを収穫できる期間、私はこのサンドウィッチを作って畑に持って行き、お昼によく食べています。サンドウィッチは、晴れた日に屋外で食べるとなぜかとても美味しいです。

キャベツ

キャベツ

葉が柔らかくて甘いキャベツ

葉が柔らかくて甘いキャベツ

キャベツたっぷりサンドウィッチ

キャベツたっぷりサンドウィッチ

今の時期、天気の良い日は、日中は屋外が気持ちの良い季節です。素敵なお庭でオープンエアのカフェ気分で、採れたて野菜をたっぷり使った朝食やランチを楽しめたら素敵ですね!